60歳を過ぎてから、急にお金のことが現実味を帯びてきました。
それまでは「まだ働いているし大丈夫」と思っていたんです。でも、年金の見込み額を見たとき、正直言って少し黙り込みました。
思ったより少ないし、貯金も思ったより多くない。
「これで本当に大丈夫なんだろうか」
そんな不安が、夜ふとした瞬間に浮かぶようになりました。
もう遅いは本当か?
60代になると、「今さら増やせない」と思いがちです。私もそうでした。
でも、父が言った一言が印象に残っています。
「遅いかどうかは、やらなかった人が決める言葉だよ」
私の父は65歳から週3日だけ働き始めました。月5万円ほどの収入。体力的に無理のない範囲です。
5万円 × 12か月で60万円。
5年で300万円。
特別な才能があるわけではありません。ただ「完全に引退しない」選択をしただけ。
この現実的な積み上げは、思った以上に大きいです。
お金を増やす力より生み出す力
老後資金というと、投資の話になりがちです。
実は私も、焦って投資セミナーに参加したことがあります。周りは若い人ばかりで、正直場違いな気持ちでした。
「今からでも資産1,000万円作れます」
そう言われても、心は動かなかった。
それよりも大事だと気づいたのは、「自分で少しでもお金を生み出せる状態を保つこと」でした。
趣味を小さく販売してみたり、知人の紹介で単発の仕事を受けたり、経験をブログにまとめる。
派手ではありません。でも、自分の経験が誰かの役に立ち、数千円でも収入になると、安心感がまるで違います。
60代からの強み
若い頃と違って、60代には経験があります。
失敗もしてきたし、遠回りもしてきた。その話は、意外と価値があります。
実際、私の知り合いは、長年の営業経験を活かしてシニア向けの相談役のようなことを始めました。最初は無料。そこから紹介が広がり、今では月に数万円の副収入。
「まさかこの歳でこんなことするとは思わなかった」と笑っていました。
でも、その笑顔はどこか自信に満ちていました。
小さな積み立ては侮れない
大きな金額でなくても大丈夫です。
たとえば、月1万円を別口座に移すだけでも、年間12万円。5年で60万円。
「たったそれだけ」と思うかもしれません。
でも、不安というのはゼロか百かではありません。
少し増えるだけで、心は確実に軽くなります。
私は最初、3,000円から始めました。正直、恥ずかしいくらいの金額です。でも、続けると「自分は何もしていないわけじゃない」と思えるようになりました
生活を小さくする勇気
老後資金づくりは、収入だけではありません。
見栄を少し手放すことも、大きな力になります。
高い店に行かない、ブランドにこだわらない、人と比べない。これがすべてです。
この気持ちの整理ができると、不思議とお金の不安も減っていきます。
60代は、若い頃よりも「本当に必要なもの」が見えている年代です。それは強みと考えて良いです。
本当に大事なのは安心感
老後資金は、金額の問題だけではありません。
何もしない不安が、一番つらい。
少し働く。
少し積み立てる。
少し生活を整える。
この少しの積み重ねが、自信になります。
私は今でも完璧とは言えません。でも、60歳のときよりは落ち着いています。
あのとき動いたからです。
60代で貯金が少ないと、不安になるのは当然です。
でも、間に合わないと決めるのはちょっと早い。
「大きく逆転」という考えではなく、静かにじわじわと整えていく。
60代は、立て直しができる最後のチャンスではなく、
まだ間に合う年代です。
今日、何かひとつだけ実践してみてください。
その小さな行動が、数年後の安心につながります。


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