老後資金が足りないときの選択肢

安心

「老後2,000万円問題」という言葉が出たとき、正直どこか他人事でした。
でも、いざ自分の通帳を見たときに、「あれ、思っていたより少ないかもしれない」と感じた瞬間、急に現実味が出てきます。

私の知人(68歳・一人暮らし)は、定年後しばらくは穏やかに暮らしていました。
年金は月14万円。家賃は6万5千円。光熱費や食費を入れると、毎月ほぼ使い切り。貯金は約700万円。

「贅沢しなければ大丈夫」と言っていたのですが、電気代が上がり、物価も上がり、病院代がかさみ、気づけば毎月1〜2万円の赤字になっていました

大きな出費があったわけではありません。
ただ、じわじわと削られていった。これが怖いところです。

老後資金が足りないと気づいたとき、選択肢はいくつかあります。
派手ではありませんが、どれも現実的な方法です。

「一人暮らしシニアの生活費はいくら?年金で暮らす工夫と現実」はこちら


まずは固定費を疑う

最初に手をつけたのはスマホ代でした。
月8,800円を、なんとなくそのまま払い続けていたそうです。

格安SIMに変更して月3,000円台に。
それだけで年間6万円以上の差。

さらに、長年入り続けていた医療保険。月1万2千円。
保障内容をよく見ると、実は今の年齢では使いにくいものが多い。見直して月7千円に。

「保険を減らすのは怖かった」と言っていました。
でも、内容を理解してから決断したら、不思議と安心できたそうです

固定費の見直しだけで、月1万5千円近く改善。
年間で18万円。正直に言ってこれは大きいです。


少しだけ働くという選択

「もう働きたくない」が本音だったそうです。
40年以上働いてきたのですから当然です。

それでも、週3日だけ、近所のホームセンターで品出しを始めました
1日4時間。月にすると約5万円。

最初の1週間は足がパンパン。
「やっぱり無理かも」と弱音も出たそうです。

でも、1か月もすると体が慣れてきた。
なにより、家にこもりきりだった生活にリズムができた。
同世代の仲間もいて、思ったより悪くなかったと笑っていました。

収入のためだけでなく、「社会との接点」という意味でも働く選択肢は大きいと感じました。


貯金は使うためにある

老後世代の多くは、「できるだけ貯金は減らしたくない」と考えます。

実際、私の知人もそうでした。

でもある日、こんなことを言っていました。

「減るのが怖くて、使うのを我慢している時間のほうがもったいない気がする」

仮に700万円を、毎月2万円ずつ取り崩した場合、単純計算で約29年です。

数字にしてみると、想像より長いというの分かりま

もちろん医療費など不確定要素はあります。
それでも、計画的に取り崩すという選択は間違っていません。


住まいを見直す覚悟

これは一番エネルギーがいる選択だと思います。

家賃6万5千円のマンションから、5万円の物件へ。
差額は月1万5千円、年間18万円。

引っ越しの準備は正直しんどかったそうです。
長年の荷物を処分するのも簡単ではないでしょう。

でも、引っ越して半年後にこう言っていました。

「荷物も減って、気持ちまで軽くなった気がする」

家計だけでなく、生活そのものを見直すきっかけになったようです。


焦りからくる失敗

一番怖いのは、「取り返そう」としてリスクを取りすぎること。

知人も一度、知人に勧められた高配当投資にまとまった額を入れました。
値下がりが続き、毎日株価を見る生活に。

「老後なのに、こんなにドキドキするのは違う」と感じ、結局売却。結果は少し損をしました。

あのときのストレスは、お金以上に大きかったと言っています。

ストレスが健康に及ぼす影響が大きいことは自明です。

老後のお金は、増やすよりも減らさないことのほうが大事だと、私は思います。


選択肢は、ゼロではない

老後資金が足りないと気づいたとき、絶望する必要はありません。

1.支出を整える。
2.少し働く。
3.計画的に取り崩す。
4.住まいを見直す。

どれも地味ですが、組み合わせれば確実に変わります

一番よくないのは、「見ないふり」をすること。

通帳を開くのは正直怖いです。
でも、現実を数字で見た瞬間から、対策は始まります。

今からでも全然遅くないです。

老後資金が足りないときに本当に必要なのは、派手な方法ではなく、冷静に小さな選択を積み重ねることなのだと、そばで見ていて感じました。

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